こんにちは。心理カウンセラーの武田です。
強迫性障害の確認強迫の人は、水道が止まっているか、コンロが消えているか、スイッチが切れているか、薬の種類や量は間違ってないか、封筒の中味は入っているか、などなど、何度も何度も確認してしまいます。
今見て確認したところなのに、「もしかしたら火が消えてないかも」といった強迫観念が浮かんで、確認を何度もくり返して止められなくなってしまう人も多いと思います。
また、同じところをじーっと凝視してその場から動けなくなってしまう人も多いのではないでしょうか?
実は私も以前はそうだったのです。
ですので、確認をやめたくてもやめられない苦しさはとてもよく分かります。
ですが、この強迫性障害という病気は確認行為をすればするほど、強迫観念を強めてしまう性質もあるのです。
確認を何度もくり返せば、その時は一時的に安心感を得られます。ですが、脳の中では強迫観念が強化されているのです。
だから次の日も強い強迫観念に襲われて、確認をやめられないといった悪循環になってしまうのですね。
ですので、確認強迫を治すためには、確認をできるだけ減らしていくことが重要になってきます。
確認をやめていくことで、強迫観念も弱体化していくのです。
今回はそのための練習メニューを紹介します。【5ステップ練習法】
確認強迫を治すための5ステップ練習法
1.パッと見て大丈夫と思えたら「絶対に大丈夫」と割り切る!
【解説】
確認は複数回しているうちにどんどん記憶に残りにくくなってしまうのです。
また同じところを5秒以上凝視していると、何が正しいかわからなくなってかえって不安になりがちです。
ですので、「パッと見確認」がおすすめです。パッと見て大丈夫なら絶対大丈夫と割り切って、そこで確認をやめましょう。
2.確認したい衝動に襲われたら「この衝動はOCDだ!脳の病気の間違った衝動だ!」と唱える。
【解説】
1回確認したにもかかわらず、さらに確認したくなったら、その衝動は病気の衝動です。
確認したい衝動に「OCD」という病名をきちんとつけて呼び、歯止めをかける練習をしていきましょう。
病気による「間違った衝動」だから従う必要はないんだと自分に強く言い聞かせましょう。
3.さらに「脳の眼窩皮質がオーバーヒートして『もっと確認しろ』と間違った命令が出てるだけだ!そんな命令にだまされないぞ!」と自分に言い聞かせる。
【解説】
確認したい衝動の原因が、脳の眼窩皮質の誤作動にあるのだということを、しっかりと自分に言い聞かせましょう。
衝動の正体が「脳の間違った命令」だときちんと理解することで、さらに歯止めがかかりやすくなります。
4.積極的に別の活動に1~2時間集中するようにする。
【解説】
OCDは脳の眼窩皮質がオーバーヒートしている症状なのでクールダウンさせる必要があります。
そのために眼窩皮質を休ませ、脳の違う部分を使う必要があるのです。
だから積極的に別の活動に集中して、強迫行為や強迫観念と距離を取ることが重要です。
軽い運動、楽器、裁縫、ゲームなど、なんでもいいので別の活動を積極的にして、強迫観念や強迫行為から距離を取るようにしましょう。
5.時間とともに不安が小さくなっているのを実感する。
【解説】
別の活動をしてOCDをかわしつづけていると、不安は小さくなっていきます。
「まだ気になるがさっきほどではない」と思えてくるのです。
脳がクールダウンして正常に働きだしたわけです。
「やっぱりさっき衝動はただのOCDだったんだ」と実感できるようになるのです。
この経験を積むと、衝動があっても、「これはただのOCDだから放っておこう」と強迫行為に歯止めをかけるのが上手になっていきますよ。
1~5の順番で強迫行為に歯止めをかけていくことで、強迫観念を弱めていくことができます。
頑張ってみてくださいね。
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