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鍵やガス、コンセントの確認で家を出るまでに1時間かかっていた確認強迫が2か月で改善した克服体験

今回、克服体験インタビューに協力してくくださったのはYさん。40代男性です。

 

Yさんは、鍵やガス、コンセントの確認が1時間以上かかり、外出時(出勤前)に疲れ果ててしまっていました。

 

出勤に間に合うためには毎朝家を6時に出なければならないのですが、確認に1時間以上かかってしまうので、

 

朝5時から確認行為をし始めるという習慣になっていました。

 

そのためには、どんなに疲れていても毎朝4時に起きなければならなかったそうです。

 

そういう生活を10年ほどされていたそうです。

 

毎朝の確認儀式で、疲れ果ててしまい私のところに相談に来られました。

 

現在、行動療法を始めて2か月。ここまでの経過などについてお話しいただきました。

確認行為の繰り返しで苦しかったことはどんなことですか?

【Yさん】朝早くから確認行為をえんえんとする毎日に疲れ果ててしまいました。

 

特に仕事で夜遅く帰ってきた次の朝は、仕事の疲れも残っていますし寝不足なので、そんな中での確認行為はたまらなく苦痛でした。それでも確認をやめられなかったんです。

 

ガスコンロに火がついてないか、コンセントが抜けているか、冷蔵庫は閉まっているか、水道は止まっているか気になって、何度も同じところを見るのですが、確信が持てなくて、何十回と確認しなければならないのが本当に苦痛でした。

 

確認のために家の中を何往復も行ったり来たりして、正直気が狂いそうな毎日でした。

 

施錠の確認も、調子の悪い時は10分以上、ドアノブをガチャガチャと引っ張って離れることができなかったんです。

 

朝早いので、あまり大きな音を立てられないし、でも、強く引っ張らないと不安になってしまうので、人目を気にしながらドアをガチャガチャ引っ張っていました。

 

ドアの前で10分以上、ガチャガチャしていると、泥棒と間違われて通報されないかなという恐怖の中で毎日確認していました。

 

本当に苦しかったです。通勤する前から疲れ果ててしまう毎日でしたから。

行動療法を2か月間やってみてどうでしたか?つらかったですか?

【Yさん】最初の1週間が一番つらかったですが、今は確認を減らすことができて、ずいぶん精神的にも肉体的にも楽になりました。

 

最初のカウンセリングで「3回以上の確認は、記憶があいまいになるので逆効果」と先生に教えてもらって、

本当にその通りだなと思いました。

 

3回確認すると、必ず4回目がしたくなるし、そこからはやってもやっても不安になって確認を止められなくなってましたから。

 

だから、とにかく「最大2回まで」を目標にしなければと思いました。でも、それがちゃんとできるまでは時間がかかりましたね。最初はたまらなく苦しくて、3回4回としてしまう時が多かったです。

 

私の場合、コンセントを2回確認して、コンロも2回確認して・・・と、全部を2回確認したところで、もう一度、最初から確認したくなってしまうんですね。

 

今確認したのは頭でわかっているはずなのに、最初からもう一度確認したくてたまらない衝動に襲われるんです。

 

これがきつかったですね。ですが「3回以上は逆効果!」と何度も唱えて歯止めをかけるように頑張っていました。

 

でも正直、我慢できなくなって、「あと一回だけ」と3回、4回と確認してしまうこともありました。

 

ですが、最初の一週間で、最大でも4回くらいまでに減ったのは嬉しかったですね。 

 

鍵は、一番難しかったです。5回連続でガチャガチャするというのが儀式になっていましたから、それはなかなか崩せませんでした。

 

5回でまだ不安なら、もう5回、それでも不安ならあと5回という感じでした。

 

5回ガチャガチャするのが1セットだったので、それを最大2セットまでと決めて頑張ってたんですが、3セットしてしまうこともありましたね。

 

でも、以前は10分以上ドアの前でガチャガチャしてましたから、ずいぶん減らすことができました。

 

最初の2週間くらいで、全部の確認が20分くらいで終われるようになったので、すごく体も楽になりました。

 

まだ普通よりは多いと思うのですが、私にとっては大きな前進でした。

その後、2か月でどのように改善しましたか?

【Yさん】毎朝、1時間以上確認してたのが、最初の1週間くらいで20分くらいに減らすことができたので、「もっと減らせるかも」という気になってきたんですね。自信がついてきたといいますか。

 

コンセントと冷蔵庫は、鍵に比べて不安が低かったので、絶対に確認を2回でやめてやる!とチャレンジしました。

 

どうしても不安な時は3回しましたが、2回で大丈夫な時も増えてきて、ずいぶん楽になりましたね。

 

やっていて思ったのですが、何十回と確認するよりも、少ない確認の方が記憶にしっかり残って、安心できる感じがします。

 

水道だけは水漏れが怖くて、ちょっと多めの確認だったんですが、コンセントが2回でいけるなら水道もいけるかもと思えてきて、蛇口の下に手を置いて水が出てないか確認するのを2回だけして家を出る練習をしました。

 

最初はめちゃくちゃ不安でしたが、何日間か連続で成功すると、「それで大丈夫だ」という自信がついてきて確認を減らすことができました。

 

今は行動療法を始めて2カ月たちますが、家の中の電化製品や水道やガスの確認は、2回で止める習慣がついてきました。

 

確認にかかる時間も全部で10分かからないくらいだと思います。

 

強迫観念は「もっと確認しろ」と今でも言ってきますが、その声を無視して確認を繰り返さないように頑張っています。

 

鍵は、ドアを引っ張る音を3回しっかり聴けば大丈夫と思えてきて、今は「1回目、2回目、3回目」と小さな声で言いながら、確認しています。

 

以前、鍵の確認は10分くらいかかっていましたからすごく楽になりました。

 

ですが、まだ油断すると、確認をしてしまいそうで不安なんです。

 

今はうまく強迫観念をかわしていますが、油断すると元に戻ってしまいそうで。

 

ですので、あと1カ月は行動療法を続けて、「確認2回まで」をもっと定着させたいと思っています。

 

これからもご指導よろしくお願いします。

最後に、確認強迫で悩まれている方にメッセージをお願いします。

【Yさん】私の場合10年以上苦しかったのですが、2か月ほどでずいぶん改善しましたし、日常生活に支障が出なくなりました。

 

ですので、今、悩まれている方も希望を持ってほしいと思います。

 

強迫行為をしないように耐えるのは、最初、不安が強くて苦しいですが、覚悟を決めてやれば効果が出るので、今の生活がしんどいならばチャレンジしてほしいと思います。

 

 

Yさん、ありがとうございました。