確認時に同じところをじーっと凝視してしまい離れられない
こんにちは心理カウンセラーの武田秀隆です。
コンロの火がちゃんと消えているか確認するために、じーっと見続けてその場から離れられなくなる人はいませんか。
強迫性障害(OCD)の確認強迫の人は、何度も確認するだけでなく、同じところをじーっと凝視してしまうことがあります。
実は私もそうでした。
私の場合、コンロの火だけではなく、水漏れやスイッチの消し忘れを確認する際に、水道の蛇口やエアコンのランプや蛍光灯などをじーっと見つめ続けてしまうのです。
「よし、大丈夫!」という感覚が得られるまで、10秒、20秒・・・とじーっと固まったかのように凝視してしまうのです。
途中で話しかけられたりすると、不確か感が一気に増して、また最初から10秒、20秒と凝視していました。
つまり一回の確認がすごく長くなってしまい、症状がひどい時はそれを3セットとかしていましたので、外出する前に確認でクタクタに疲れてしまっていました。
これを読んでおられる方の中にも、同じような症状で生きづらさを抱えていらっしゃる方がいるかもしれないですね。
今回は同じところを長く見つめるデメリットと、対処法について書いていきますね。
長く見続けると何が正しい状態なのかわからなくなる
コンロの火が消えているか不安だからついついじーっと見つめてしまうのですが、私の経験ではこれは逆効果でした。
見つめれば見つめるほど「不確か感」が増えてしまい、さらに見続けてしまうという悪循環に陥ってしまったのです。
長く見つめれば見つめるほど、「消えてる状態」がどういう状態なのかわからなくなってしまったのです。
蛍光灯なども長く見つめれば見つめるほど、「これって本当に消えてる状態かな」と不安になって、もう一度点けたり消したりして、消えてる状態がどういう状態なのか確認しなければいけなくなってしまったのです。
コンロの火も一度点けて、これが点いてる状態だなとまず確かめてから、しっかりと消し直したりしていました。
「よしっ、これが本当に消えてる状態だな。ん?本当に消えているのか?消えてるってこういうことだよな・・・あれ?消えてるってどうだったっけ?」とますます凝視してしまっていましたね。
さらに一度点けてしまうと、本当に消したかまた不安になって、何度も凝視して離れられなくなったりと、確認で疲れ果ててしまう日々でした。
目の前のコンロを凝視しながら、頭の中では正しい状態がどういう状態なのか考えていて、完全にフリーズしてしまうような症状でした。
3秒以上同じ所を見るのは逆効果!1秒確認すれば大丈夫!
じーっと見続けるという行為は強迫行為ですから、やればやるほど悪化していきます。
上にも書いた通り、3秒以上見つめていると、何が正しい状態なのか考えてしまうのです。
OCDに支配された脳で考えると、必ず不安な結論を出してしまいますから、さらに凝視を続けてしまい悪循環から抜け出せなくなるのですね。
ですので、対処法としては、「3秒以上同じところを見ては逆効果!」と自分に強く言い聞かせてじーっと見ないようにすることです。
何十秒も見続ける「長い確認」よりも、「1秒しっかり見て確認」を2回すれば絶対に大丈夫です。
今でも、私は「1秒確認」を2回して、外出するようにしています。
ちなみに、「1秒確認」が不安だからと言って、3回以上確認するとそれはそれで逆効果になってしまいます。
確認行為を3回以上すればするほど記憶が曖昧になってしまうからです。4回、5回とやめられなくなってしまいがちです。
ですから、「1秒確認を2回」が私の経験上、最もバランスがよくおすすめです。
もちろん「1秒確認」を1回すれば大丈夫という感覚になれば、さらにいいですね。
「1秒確認」は信用できます!
1秒って短いイメージがあるかもしれませんが、コンロの火が消えているか目で見て確認するには十分な時間です。
1秒見て「消えている」と思えたら、絶対に消えています。自分の目と判断感覚を信じることが大事ですね。
不安な人は1秒確認を2回すれば完璧です。絶対に消えています。
「1秒確認」を信用して今日からぜひチャレンジしてみてくださいね。
「長い確認」よりも「1秒確認×2回」のほうが、確認した記憶がしっかり残り、「大丈夫感」が強いことが実感できますよ。
一週間ほど続けると、「1秒確認で十分である」と脳がしっかり判断できるようになり、どんどん症状が改善します。
じーっと凝視する確認はとっても疲れます。「1秒確認×2回」に慣れるとすごく楽ですよ。
脳の誤作動による「間違った不安」に振り回されないで
「1秒確認」を済ませてその場を離れると、しばらくして不安に襲われることがあります。
強迫観念が「万が一火がついていたらどうする」「引き返してもう一度確認しろ!」と囁いてくるのです。ですが、ここが踏ん張りどころです。引き返してもう一度確認してしまうと治りません。
もう一度言いますが、「1秒確認」をしていれば絶対に大丈夫です。火は消えています。
「万が一火がついていたら・・・」という不安は、OCDにとりつかれて脳が誤作動しているから感じてしまう「間違った不安」です。
「万が一火がついていて火事になるかも」という考えが浮かんでも、脳の誤作動による「エラーメッセージ」ですから、放置していいのです。
強迫性障害とは脳が誤作動して「間違った不安(ニセモノの不安)」を感じてしまう障害です。
1秒確認を信じましょう!
1秒確認をした記憶が、ほんのかすかにでも残っていれば絶対に大丈夫です!
不安になったら、それは脳の誤作動による「間違った不安」なので、無視するようにしましょう。
「間違った不安」に振り回されて確認してしまうと治りませんから注意してくださいね。
強迫観念が「やばいぞ!もしかしたら火がついてるかもしれないぞ」と囁いてきても、「間違った不安に騙されてたまるか!」と言い返してやりましょう!
「脳の誤作動に振り回されてたまるか!」と言い返してやりましょう!
確認強迫は、確認を減らさないと良くなりません。確認を減らすトレーニングが大切なのです。
確認を減らすと最初は大きな不安に襲われますが、ここを頑張って乗り越えると日常生活に支障がないレベルまで回復します。確認強迫から何とか抜け出したい方はいつでも相談してくださいね。