こんにちは心理カウンセラーの武田です。
不潔恐怖・洗浄強迫のOCDの方は次のような症状で生きづらさを抱えておられます。
・目に見えない汚れや菌までも気になって、手洗いやシャワーをくり返してしまう。
・少しでも汚れていると感じたら除菌シートで拭かなければ触ることができない。
・絶対に汚したくない聖域を守るために、長時間の洗浄・洗濯・除菌に追われて日常生活が生きづらい。
そして、その洗浄・除菌行為が儀式化しがちですよね。
いつしかその儀式を守ることが目的となって、その儀式をしなければたまらなく不快になってしまうのです。
その儀式から抜け出したいのに抜け出せない。儀式を続けるのも地獄、儀式を止めるのも地獄。
そんな悪循環で苦しまれているのではないでしょうか。
ドアノブやリモコンを除菌しないと触れない方へ
不潔恐怖を治すということは、発症前の自分に戻るということです。
除菌シートで拭かないとドアノブやリモコンに触れない人も、発症前は平気で触っていたはずです。
もっと言えば、おしっこが手についた時に、今は何度も除菌石鹸で手を洗っている人も、発症前は水でサッと洗い流すだけで平気だった人も多いと思います。
発症前の、平気で何でも触れた感覚や、少々汚れてもへっちゃらな感覚を取り戻せれば楽になります。
そのためのコツを書いていきますね。
手洗いや除菌の衝動は「脳の間違った指令」だから振り回されてはいけない
強迫性障害(OCD)は脳の心配回路の誤作動が原因です。
発症前のあなたは、脳の心配回路が平常に働いていたのですね。
「ドアノブやリモコンに触ったぐらいで手を洗う必要などない」と脳が正しい指令を送っていたのです。
「たかがおしっこが手についただけだ。水で流せば十分だ」と脳が正しい指令を送っていたのです。
実際、その指令の通り動いて困ったことなどなかったはずです。
ドアノブに触ったら次の日に手が腐っていたなどということはなかったはずです。
おしっこが手についたからといって深刻な病に感染することなどなかったはずです。
発症前のあなたの脳の心配回路は、適正な指令を出してくれていたのですね。
ですが、OCDに取りつかれてからは、あなたの脳の心配回路はずっと誤作動しているのです。
「ドアノブに素手で触るなんてとんでもない。早く除菌しろ!」と脳が間違った指令を出しているのです。
「もっともっと手を洗え!感染してしまうぞ!まだ汚れているぞ!」と間違った指令を出しているのです。
不潔恐怖のあなたは、脳の「間違った指令」に振り回されている状態です。
「間違った指令」にだまされてしまって、必要以上に洗浄除菌をしてしまっている状態ですね。
不潔恐怖を克服するコツは、発症前の脳の「正しい指令」を思い出すことです。
そして、発症前の自分と比べて、過剰に手洗いや除菌をしたくなった時は、「これは脳の間違った指令だ!振り回される必要はない」と強く自分に言い聞かせて、発症前の自分のように行動する練習が大切になってきます。
また、不潔恐怖の人は、汚れが広がってしまう不安や、いつまでも汚れが残っているような嫌悪感から、もっともっと洗わなければいけないと感じることが多いと思います。
ですが、それはあなたのほんとうの感覚ではありません。
OCDに取りつかれた脳の心配回路が誤作動して、「汚れが広がるぞ!もっと洗え!」と間違った指令を出しているだけなのです。発症前のあなたの正常な脳なら「汚れは広がらないし、洗う必要もない」と正しい指令を出していたはずです。
過剰な不潔恐怖や、洗浄除菌への衝動は脳の「間違った指令」だから従う必要などないのです。
まずは「これは脳が間違った指令を送っているに過ぎない。従う必要はない」と考える練習をしてみましょう。
除菌や手洗いなどせずにドアノブにどんどん触りましょう
OCDの攻撃をかわして、発症前のあなたのように、平気でドアノブやリモコンを触ってみましょう。
そして、その触った手をいちいち洗わず、その手で自分の服や聖域もどんどん触っていきましょう。
その際、「素手で触ってはいけない!除菌しなければ」という考えが浮かんだら、それこそが、脳の間違った指令です。振り回される必要はありませんよ。
発症前のあなたの脳なら、「どんどん触っていいよ」と正しい指令を出していたはずですからね。
また、触った後に「すぐに手を洗わなければ」という考えが浮かんでも、それは、ほんものの思考ではありません。
OCDという病気のせいで脳が誤作動して、そう思わされているだけです。脳の間違った指令に振り回されてはいけません。
脳の間違った指令をかわして、発症前のあなたのように行動する練習を続けることで、脳が正常化していきます。発症前のように行動することで、発症前のあなたを取り戻しましょう。それが不潔恐怖克服のコツです。
こちらのページにもさらに詳しく書いていますので、参考にしていただければと思います。下のオレンジのボタンからご覧いただけます。