しつこい強迫観念を無視するコツ(必見)

こんにちは。心理カウンセラーの武田です。
次のような症状で困っている人はいませんか? 
 
・さっき確認したのに、不安でたまらなくなる。
・さっき洗ったはずなのに、まだ汚れている気がする。
・頭では大丈夫と考えているのに、それを上回る不安を感じる。
・もっとしなければという衝動に駆られる。
 
これ、ぜーんぶ強迫観念のしわざなんですよ。
強迫観念は、まるで悪魔のささやきのようにあなたを不安にさせるんです。
 
・もう1回確認しないと大変なことになる!
・もっと洗わないと、まだ汚れている!
・危害を与えてしまったかもしれない! 
 
などと、あなたの心に警報を鳴らして、不安にさせるのです。
「このままだとやばいよ!」とあなたに強く警告して、もっと確認や洗浄をするように命令するのです。
 
強迫観念に支配されると、確認や洗浄を繰り返すことになり、心身ともに疲れますよね。
今回は、このやっかいな強迫観念に支配されないためのコツをお伝えします。
 
【強迫観念の言ってることはエラーメッセージである】
 

強迫性障害(OCD)の症状が出ている時、実は脳が誤作動しています。
どういうことかといいますと「安全」を「危険」と判断しているのです。
エラーの反応をしているのですね。
そのときに産声を上げるのが、まさに強迫観念なのです。
 
・もう1回確認しないと大変なことになる!
・もっと洗わないと、まだ汚れている!
・危害を与えてしまったかもしれない!
 
という強迫観念の声は、すべて脳のエラーの産物です。
すべて、エラーメッセージなのです。
 
強迫観念は「このままだとまずい」とあなたに警告してきますが、エラーの警告です。
強迫観念は「もっと確認しろ」とあなたに命令してきますが、ニセモノの命令なのです。
間違った指令ですから、無視しなければならないのです!
強迫観念は無視していると、時間の経過とともに弱まり、やがて消え去ります。
 
「強迫観念はエラーだから無視しとこー」と強く自分に言い聞かせるのがコツですね。

無視をする練習をすることで、強迫性障害は克服できるのです。
 

【強迫観念のしわざと断定し徹底無視しましょう】


以下のような時は、まさに強迫観念が発動している時です。 
 
・さっき確認したのに、また最初から確認したくなる時。
・さっき洗ったのに、また洗いたくなった時。
・目に見えない汚れや細菌までが気になってたまらない時。
・妙な加害恐怖にさらされた時。
 
このような状態になったら「あっ!これは強迫観念のせいだ!」と断定してください。
そして、「これは、OCDのエラーの警告だ。エラーに従ってたまるか!」と強く自分に言い聞かせましょう。
強迫観念を徹底的に無視して、確認や洗浄などの行為を繰り返さないことが大切です。
 
強迫観念ってウソの警告で脅し、強迫行為へ誘導する「詐欺師」のようですよね。
ですから「強迫観念は詐欺師だから無視しとこー!だまされてたまるか!」と自分に言い聞かせるのも効果的ですね。 
 
 
【うまくいかない人は、ここで失敗しています】
 

強迫観念を無視するときに、途中までうまくいっているのに、失敗する人がいます。
無視している途中で、再び強迫観念につかまってしまうのです。
 
次の第2段階までは、みなさんうまくいくのです。
 
第1段階
・これは強迫観念のせいだ!エラーメッセージだ!と断定する。
 
第2段階
・これはエラーの警告にすぎないから無視しよう!と無視する。
・そして強迫行為にストップをかけようとする。
 
 
問題は次の第3段階です。
ここをを間違えると、再び強迫観念に支配されて、強迫行為をしてしまうのです。
 
第2段階で強迫観念を無視しようとすると、強迫観念は一時的に暴れます!
「万が一のことがあったらどうするんだ!」とあなたを強い不安に陥れようとするのです。 
 
ここで失敗する人は、ちゃんと確認したか思い出そうとしたり、汚れてないか、加害していないか、
もう一度、思い返してしまうのです。
 
安心を得たいために、「○○したから、きっと大丈夫だ!」と考え直したくなるのです。
だけどそれこそが、落とし穴なのです。強迫観念のワナなのです。
 
あなたがいくら正論をもって「○○したから大丈夫!」と強迫観念を打ち消そうとしても、
強迫観念は「ほんとか?でも万が一があったらどうする?」と悪魔のごとくささやいてくるのです。
 
再びあなたが「大丈夫」と反論しても、すかさず強迫観念も「でも、万が一があるよね」と反論してきます。
きりがないのですね。この状態は強迫観念を無視するどころか、強迫観念につかまってしまっています。 
強迫観念の土俵の上で相撲をとっているようなものです。
 
いいですか。強迫観念を無視するということは、強迫観念を打ち消そうとすることではありません。
打ち消そうとすると、強迫観念に近づくことになってしまうのです。
 
無視するとは、強迫観念をかわして遠ざけることなのです。
強迫観念が何か言ってきても、そんな言葉に耳を貸さず、プイっと背中を向けちゃうイメージですね。
 
無視することは相手にしないこと。背中を向けて、「距離をとる」ことが大切です。
襲ってきたら、闘牛士のようにフッと「かわす」ことが大切ですよ。

仕事でも趣味でも何でもいいので別の活動をして、強迫観念から関心の焦点を移すことが重要です。
ほかの活動をすることで、強迫観念をかわしつづけるのです。それが無視なのです。
 
徹底的に「かわす」「考えない」「無視をする」「他のことをする」ことが大切です。
無視を続けていると、強迫観念は小さくなり、やがてどこかへ消え去ってしまいます。
 

 

【強迫観念を無視するコツのまとめ】 
 
第1段階
・これは強迫観念のせいだ!脳のエラーだ!と断定する。
 
第2段階
・強迫観念は「エラーの警告」だから無視しよう!と無視する。
・強迫観念は「不安をあおる詐欺師」だから無視しよう!と無視する。
・そして強迫行為にストップをかける。
        
第3段階
・強迫観念は一時的に暴れ「万が一があったらどうする」と不安をあおってくるが、
「これもエラーメッセージだ。ほかのことをしよう」と背中をプイっと向けて相手にしない。
・強迫観念から距離をおき、かわしつづけて、別の活動に集中する。

 

第4段階
・時間の経過とともに、不安が薄れてくる。やがて気にならなくなる。
・強迫観念は意味がないと実感できる。
・強迫観念を無視する自信がついてくる。 
 
 
この四段階をトレーニング(行動療法)していくことで強迫性障害は克服できます。
頑張ってみてくださいね。一人でトレーニングする自信がない時は、いつでもご相談ください。