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鍵の確認を何回も繰り返してしまう強迫性障害を治すコツ

こんにちは。心理カウンセラーの武田秀隆です。
家を出る時に、鍵がかかっているか5回以上確認する人はいませんか?
これは強迫性障害の中の「確認強迫」という症状です。
 
何回も何回もドアノブを回したり、強く引っ張ったりしてしまう。
今、確認したばかりなのに、また確認してしまう。
 
ガチャガチャ!よし大丈夫だ! う~ん。 あと一回確認しよう!
ガチャガチャ!今度こそ大丈夫!う~ん。 あと一回だけ! 
ガチャガチャ!絶対大丈夫だ! う~ん。 あと一回で最後にしよう!
ガチャガチャ!今度こそ大丈夫!う~ん。 やっぱりもう一回・・・・
 
という感じで、確認をやめたいのにやめられなくなります。
 
「もう大丈夫だ」と家を後にしても、10mほど進んだところでまた不安に襲われ、家に戻ってきて確認してしまうこともあります。自分でも「ばかばかしい」「やりすぎている」と頭では理解できているのですが、どうしても、確認をくり返してしまうのですね。
 
外出するたびに確認に時間がかかり、精神的にも疲れてしまう。
日常生活に支障が出てくるので、何とか改善したいですよね。
 
【確認を2回でやめるコツ(その1)】
 
確認をやめるコツは、「強迫観念を徹底的に無視すること」です。
あなたが確認行為を反復してしまうのは、強迫観念のしわざだからです。
 
強迫観念はあなたの頭の中で、
 
・まだ鍵が開いてるかもしれないぞ?
・このまま放っておいたら泥棒に入られるぞ!
・もう一回確認しとけ!確認したらスッキリするぞ! 

 

と脅しをかけてきたリ、命令したりします。また、家を出てからも、

 

・戻って確認しないとやばいぞ!
・もう1回、頭の中で確認しろ!

 

としつこく命令してきます。あなたが強い確認衝動に襲われるのは強迫観念のせいなのです。
 
ですが、この強迫観念の正体は、脳の誤作動による「エラーメッセージ」なのです。脳が「安全」なのに「危険」と間違えて、「もっと確認しろ」と間違った命令を送っているにすぎないのです。 
 
「もう一回確認しろ!」という命令は、ニセモノの命令です。
「確認しないと大変なことになるぞ!」という警告は、ウソの警告です。

すべてエラーメッセージなのです。
 
あなたが、確認を二回までで止められなかったら、「これはエラーメッセージのしわざだ!」とまず自分に言い聞かせてください。今の状況が、脳のエラーのせいだと、しっかり自覚することが大切なのです。

そして「エラーだから無視しよう!」と強迫観念を徹底的に無視して、確認行為にストップをかけることが大切です。
 
慣れないうちは、無視しようとすると強迫観念がさらに脅しをかけてきます。
 
・本当に大丈夫か?
・万が一のことがあったらどうする?
・もう1回確認すればスッキリするぞ!
 
としつこくからみついてきますが、これもすべて「エラーメッセージ」です。
ニセモノの警告ですから無視してください。
 
・間違った命令にだまされてたまるか!
・こいつは私を騙そうとしてるだけだ!
・こんな命令に従ってたまるか!
 
と強く自分に言い聞かせて無視するようにしてくださいね。
 
そしてもう一つ、大切なポイントは、「無視するぞ!」と決めたら、鍵のことを一切思い出さないことです安心したくて、鍵をかけた場面を回想したくなりますが、それをすると強迫観念につかまります。
 
鍵のことを一切考えないで、他の活動に集中することが大切です。仕事でも趣味でもいいのです。とにかく「鍵」から意識を外して、強迫観念から「距離を置く」「つかまらないようにかわす」ことが大切なのです。 
 
強迫観念はエラーだから無視して、つかまらないようにかわし続けるのです。

すると強迫観念は時間の経過とともに小さくなっていきます。そしてどこかへ消え去ってしまうのです。

あなたは「大丈夫だ」という確信が強くなって、鍵のことが気にならなくなるのです。
 
強迫観念を「エラーメッセージ」と認識して、徹底的に無視しましょう。

そして確認行為にストップをかけましょう。その練習を今日からしてみましょう。きっとよくなります。
自分一人で練習する自信がない方はいつでもご相談してくださいね。
 
 
【確認を2回でやめるコツ(その2)】
 
強迫観念を無視しやすくなる考え方をひとつご紹介します。それは、

「ほんのかすかでも確認した記憶や感覚があれば、絶対大丈夫!と信じていい(信じなければならない)」という考えです。 
 
あなたが確認行為をもう1回したくなったら、こう自問してください。

 

「さっき確認した記憶や感覚がほんのかすかでも残っているか?」
 

そして、その問いに対して、「鍵をかけた感覚」や「確認した記憶」がほんのかすかでも残っているならば、
「絶対大丈夫!」と信じましょう。いえ、「信じなければいけない」と強く自分に言い聞かせましょう。
そうすれば強迫観念をエラーとして無視しやすくなりますからね。
 
頑張ってみてくださいね。応援しています!